冷蔵庫は解体NG？知らないと危ない処分方法と安全な手放し方

冷蔵庫には、内部を冷却するために「冷媒」と呼ばれる特殊なガスが使用されています。多くの冷蔵庫ではフロン類（CFCやHFC）が用いられており、これを誤って放出してしまうと人体に悪影響を及ぼす可能性があります。吸い込むことでめまいや吐き気を引き起こすことがあり、特に密閉空間では重大な事故にもつながりかねません。また、フロンガスは大気中に放出されると地球温暖化の原因となる物質でもあり、環境への影響も非常に大きいです。そのため、フロン類を扱うには専門的な知識と適切な回収設備が必要であり、素人が無防備に扱うのは極めて危険です。

冷蔵庫の内部には、モーター、コンプレッサー、基板、電線、断熱材などさまざまな部品が組み込まれています。見た目以上に複雑な構造をしており、分解の工程で配線を誤って切ってしまったり、刃物や工具の扱いに失敗してケガを負ったりするリスクが高まります。また、コンプレッサーには圧力がかかっている場合があり、不用意に取り外そうとすると破裂する危険性もあるため、非常に注意が必要です。安全に分解するには、電気工学や機械の知識が求められます。

さらに重要なのが、冷蔵庫は「家電リサイクル法」により、処分方法が厳格に定められているという点です。家庭から出る使用済み冷蔵庫は、リサイクル対象家電に分類されており、指定のルートで適切に処理しなければなりません。これに反して、個人で解体してパーツごとに燃えないゴミや粗大ゴミとして出す行為は、廃棄物処理法などに抵触する可能性があり、最悪の場合は罰則の対象になる恐れもあります。また、冷蔵庫に含まれる素材の一部は特定有害廃棄物に該当することもあり、適正処理を怠ると自治体や環境への悪影響も無視できません。

新しい冷蔵庫を購入する際、古い冷蔵庫を同時に引き取ってくれる家電量販店は多くあります。これは「家電リサイクル法」に基づく正しい処分方法のひとつで、リサイクル料金（約3,700円前後）と収集運搬料金（店舗ごとに異なる）が必要になります。この方法の利点は、購入と回収が一体になっているため、手続きがスムーズで安心できる点です。ただし、新品を買う予定がない場合や、処分だけをしたい場合には利用できないこともあります。リサイクル券の手続きなどが苦手な方にも、ややハードルが高いかもしれません。

自治体でも、冷蔵庫のような大型家電を適正に処分する方法を提供しています。多くの場合、家電リサイクル券を郵便局で購入し、指定の回収業者に引き渡す仕組みです。費用はリサイクル料金に加え、運搬費用が別途かかることもあります。ただしこの方法は、冷蔵庫を自力で運び出さなければならないことが多く、玄関や階段、エレベーターを通す作業が必要になります。一人暮らしの方やご高齢の方、女性にとっては特に大変な作業です。作業中に壁や床を傷つけてしまうリスクもあるため、慎重に判断する必要があります。また、自治体によっては予約が必要だったり、収集日が限られていたりするため、すぐに処分したいというニーズには対応しにくい面もあります。

冷蔵庫をもっとも手軽かつ迅速に処分できるのが、不用品回収業者への依頼です。希望日時に訪問してもらえ、搬出から運搬までプロがすべて対応してくれるため、手間なく安心して任せられます。不用品回収のエスフロ東京では、冷蔵庫1台から大量の不用品まで幅広く対応しています。明確な料金設定と柔軟なスケジュール対応で、多忙な方や高齢者の方にも好評です。回収した品はリユース・リサイクルを徹底し、環境への配慮も忘れません。